舌下免疫療法

スギ花粉症、ダニアレルギーでお困りの方へ

処方可能医師:木内 巻男、内田 美穂、小林 千尋、若杉 なおみ、食物アレルギー外来担当医


■舌下免疫療法とは?

スギ花粉症、ダニアレルギーの改善に「舌下免疫療法」がおすすめです。
「舌下免疫療法」は自宅で服用でき続けやすい利点もあり、お子様(5歳以上)の治療も可能となり、今注目されています。
舌下免疫療法の方法は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)の含まれる錠剤を舌の下に1分間ほど置き、体内に取り込みます。
舌の下から入ったアレルゲンはリンパ節から全身に広がり徐々に量を増やし、体をアレルゲンに慣らしていきます。
この投与は2週間かけて増量し、その後は一定量を長期間(継続して3年以上を推奨)服用します。


■舌下免疫療法の利点は?

舌下免疫療法で8割の方に効果があり、そのうち2割が治癒、残り6割が「治癒はしないけれども効果はあった」との報告がありました。
つまり、スギ花粉症による睡眠障害やイライラ感、集中力の低下といった生活の質(QOL)を改善させる効果が認められ薬の使用量も減らすことが出来た、という結果 でした。
小児に対する効果も成人と同等であるとされています。

舌下免疫療法を受けない人と比べて、今後別の花粉などに新たに感作される可能性が少なくなることも報告されています。 くしゃみ、鼻水、鼻づまりの改善 涙目、目のかゆみの改善 アレルギー治療薬の減量 QOL(生活の質)の改善  


■治療の開始時期

スギ花粉症の場合、花粉が飛散している時期に舌下免疫療法を行うと、アレルゲンの摂取量が増加してしまうので、投与開始時期はスギ花粉が飛散している時期には
治療を開始できません。
この時期はスギ花粉に対する過敏性が高く、副反応が起こりやすくなりますので、6月から11月頃に開始します。

ダニアレルギーの場合は、梅雨時と秋口に症状が悪化する傾向があります。この時期に治療を開始するのは避けるべきでしょう。


■舌下免疫療法の方法

まず医療機関で、アレルギー検査、診断を行い、初回投与から2週間は増量期、その後は3年以上定期検診を行いながら継続します。
初回の服用は病院にて開始(※)し、2日目からはご自宅で服用できます。
副作用を避けるためには、投与後はうがいや飲食を避ける(5分程度)、運動や入浴を避ける(2時間程度)などの注意が必要です。


(※)初回投与は病院内で服用後の経過観察が必要となりますので、午前は11時まで、午後は17時半までに受診してください。(要予約)


・スギ花粉症の治療には【シダキュア】という薬品


・ダニアレルギーの治療には【ミティキュア】という薬品


これらの薬品を「111錠、舌下にて1分間保持した後、飲み込む」という簡単な治療法です。
舌下に薬剤を保持できるお子さんであれば治療が可能で、5歳頃から始めることができます。
毎日自宅で行うため、治療や副反応に対する理解が必要となります。

■舌下免疫療法の注意点

アレルゲンを投与する治療なので、アレルギー反応を引き起こす可能性が否定できません。
ショック、アナフィラキシーのような重篤な副反応は極めてまれとされていますが、舌や口の中の腫れ、のどや耳のかゆみ、じんましん、下痢・嘔吐などの
軽い副反応は高い確率で出現します。
治療を必要としない場合が多い
のですが、なかなか改善しない場合は治療を要します。
副反応は内服後30分以内、治療開始後1ヶ月以内、またスギ花粉が飛散している時期に起きやすいので注意が必要です。
治療期間は35年で、スギ花粉の飛散していない時期でも毎日行う必要があります。即効性は期待できない治療ですので根気が必要です。
また、効果が認められない方も2割程度いますので、治療前の効果の予測ができないという難しい点があります。


効果が認められる時期

スケジュール通り治療が行われると、初めてのスギ花粉飛散シーズンから効果が期待でき、35年継続することで最大の効果が得られるとされています。
療終了後に再度症状が認められた場合は、舌下免疫療法を再開することで再び効果が期待できると言われています。


■主な副作用

・口の中の副作用

(口内炎や舌の下の腫れ、口の中の腫れ、かゆみ、不快感など)

・唇の腫れ

・咽喉(のど)のかゆみ、刺激感、不快感

・耳のかゆみ

・頭痛

・ショック、アナフィラキシー など


■ダニによる通年性アレルギー性鼻炎と並行して治療の開始ができる?

ダニアレルゲンによるアレルギー性鼻炎に対しても、舌下免疫療法が2015年から認可されています。

スギ花粉以外にダニに対してもアレルギー性鼻炎がある方は、並行して治療が可能ですが、同時に治療は開始できません。

まずはどちらかを開始して、症状が安定してからもう一方の治療を開始してください。


■舌下免疫療法が勧められる方

・薬物療法で効果が不十分な方

・眠気などの副反応が強く、勉強や仕事に差し支えがある方

・少しでも薬を減らしたい方

多数の花粉にアレルギーがあり、治療によるQOLの改善を期待される方


■舌下免疫療法を受けられない方

・シダキュアでショックの既往がある方

・重症喘息の方


■舌下免疫療法を行う際に注意が必要な方

アレルゲンエキスを使った検査・治療でアレルギー症状が出たことのある方

・喘息患者

・悪性腫瘍

・自己免疫疾患・免疫不全などのある方

・重症心疾患・肺疾患・高血圧のある方

薬を内服されている方(βブロッカー、三環系抗うつ薬、ステロイドなど)


■治療をお考えの方に

・長期間に渡る治療で根気がいる
・副反応が起こりうる
必ずしも全ての人に効果が出ない場合もある

上記内容を考慮したうえで治療をお考えください。

【参考文献】

舌下免疫療法の最新の知見 スギ花粉症を中心に 日耳鼻 120 1305-1310,2017


アレルギーに関することでお困りの際は、お気軽にご相談ください

 当院には、小児アレルギーエデュケーター(小児臨床アレルギー学会認定資格)・アレルギー疾患療養指導士(日本アレルギー学会認定資格)が在籍しております。
 医師と連携して、患者さんに適切なアレルギー治療の提供を目指します。
医師よりも、身近な存在として医師の説明に補足を行い、より具体的に・わかりやすく・続けられるようなサポートをしていきたいと思っています。

 

スキンケア指導

主にアトピー性皮膚炎や皮膚症状の良くない患者さんに対して、バリア機能が良好な皮膚の状態を保つために、体の洗い方や軟膏の塗り方などについて、
保護者の方と確認しながら丁寧にサポートをします。


吸入指導

吸入ステロイド導入のお子さんには有効な吸入ができるように、吸入方法や吸入器・吸入補助具の使い方について指導します。
また、喘息で継続して吸入を行っている方に対しても、主義の確認や効果的な治療が継続的に行えるようサポートしていきます。

 

食物アレルギー

食物経口負荷試験は、医師の指示のもとに負荷食品を摂取し、症状の出現がないか観察をします。
また、エピペンの初回処方時、更新時にも注射の取り扱いや誤食時の対応についての具体的な指導をしていきます。